動物にも生理ってあるの?驚きの“動物の生理”|出血がある動物・ない動物の仕組みを解説

生理って、なんで進化の過程でなくならなかったんだろうって思うレベルで不便じゃないですか?
眠くなるし、動けないし、情緒不安定になるし、出血するし…
現代の人間社会では、ナプキンやタンポン、ピル、鎮痛剤など、さまざまな文明の利器のおかげで、生理との付き合い方もだいぶ快適になってきました。
でもふと、
「他の動物はどうやって過ごしているんだろう?」
「そもそも、生理って他の動物にもあるの?」
…と思い、調べてみることにしました。
今回は、いつもの“役立つ”女性ホルモン大学ではなく、ちょっと気になる雑学回です。
人間だけじゃなかった!月経がある動物はこちら!
調べてみると、なんと人間と同じような“月経”つまり「出血を伴う生理」がある動物もいることがわかりました。
その代表格がこちらの3グループです。
1. サルの仲間(霊長類の一部)

人間と同じ霊長類というだけあって、チンパンジー、ヒヒ、マカクなどは、人間に近い月経が起こります。月経周期は約35日、出血は2〜4日程度と、リズムもかなり人間に近いですね。
2. コウモリの仲間(一部のフルーツバット)

ちょっと意外ですが、果物を食べる大型コウモリ(フルーツバット)の中にも月経がある種がいます。月経周期は約33日で、出血はおよそ1日だけです。とはいえ、コウモリ全体の中ではほんの一部で月経があるのは全体の1%未満です。
3. ネズミの仲間(トゲマウス属)

普通のマウスやラットには月経はありませんが、トゲマウスというちょっと特殊なネズミには、なんと月経があります。月経周期はなんと約9日と超スピーディー!そのうち約3日間は出血期間なので、人生の3分の1は月経という、なんともハードモードな暮らしを送っているネズミです。
このように、出血をともなう月経がある動物も確かに存在しますが、哺乳類全体から見ればかなりの少数派。実際、月経がある哺乳類は全体のわずか1〜2%程度です。
月経がない動物たちの意外な仕組み
じゃあ、残りのほとんどの動物たちはどうしてるの?というと…
なんと、子宮内膜を体の中で吸収して処理しているんです!
つまり、人間のように出血することがないんです!
そう聞くと、
「え、ズルい!そっちのほうが進化してない?」
「人間のほうがポンコツってこと?」
と、ソワソワしちゃいますよね。
でも大丈夫です。落ち着いてください。
出血する派も、吸収する派も、どっちが優れているという話ではなくメリット・デメリットがあるんです。
出血する派 vs 吸収する派|それぞれのメリット・デメリット
出血する派
- 子宮内膜を毎回“新品”にできる
着床環境が整い妊娠の質が高くなる - 質の悪い受精卵をはじける
子宮内膜が「この子、大丈夫かな?」とチェックするフィルターになる
- 毎月出血するので体力コストが大きい
鉄分・栄養の消耗、貧血のリスクも - ホルモンの揺れで体調不良になりやすい
PMSや体調不良、メンタルの乱れなどが起きやすい - 野生下では血のにおいが危険
捕食者に見つかるリスクが上がる
吸収する派
- 血が出ないので負担が少ない
体力温存・栄養ロスなし・感染リスクも低い - ホルモン変化が穏やか
PMSなどが起きにくい - 外敵に見つかりにくい
野生ではかなり有利
- 子宮内膜が“ずっと使いまわし”になる
環境のリセットができず、着床の選別精度がやや低い - 妊娠成功率は高いが、選別精度は低め
- 出血する派 = 慎重派
たったひとつの妊娠に全力投球 選別と準備に時間をかけるタイプ - 吸収する派 = 省エネ派
手数で勝負。ムダを出さず、回転数と効率を重視するタイプ
なので、単純に「出血=旧式」「吸収=最新型」ってわけではないんですよね。
まとめ
というわけで、今日も私たちの体は、ひとつの命に本気で向き合うために、毎回せっせとお掃除を繰り返すという、なかなか手間のかかるレア仕様で頑張ってくれているんです。
「なんで毎回こんな面倒な仕組みなんだろう」って思っていましたが、子宮内膜の質が、妊娠の成立や質にまで影響するなんて驚きました…!
生理中の自分の体、今日はちょっとだけ優しくしてあげたくなりますね。
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●参考・出典
IFLScience「Do Animals Other Than Humans Have Periods?」
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