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【必読】初潮のタイミングで話そう。 母から娘に伝える生理のこと〈対談〉産婦人科医・いろどり先生×編集部きうち

生理/PMS

体にも実際の生活にも大きな変化を伴う「生理」。学校での性教育の授業はあるものの、なかなか学校で学ぶことだけでは十分ではなく、私たち「女性ホルモン大学」には初めての生理を目の前にした娘さんを持つ親御さんから、「生理のことをどう伝えよう…」とご相談を頂くことが多々あります。

そこで今回は、「女性ホルモン大学 保健室」コーナーにて、皆さんからのお悩みに答えてくださっている産婦人科医のいろどり先生と女性ホルモン大学のきうちの対談を実施、大事な「初潮」というタイミングに親御さんからどのようなコミュニケーションをとったらいいのか? 産婦人科医の立場からいろどり先生にお話頂きたいと思います。

はじめての生理”を前にいつ何を伝える?

きうち 「はじめての生理」を迎えるにあたって、子供自身は「生理」というある意味「未知な体の変化」と向き合う不安は大きいですよね。一方で親御さんもいつどう伝えたらいいか?と言う声も女性ホルモン大学に頂きます。具体的にいつに話したらいいでしょうか?

いろどり先生 そうですね。小学校高学年くらいになると、周りにも生理が始まった子がちらほら出てきて「自分もそろそろなのかな?」と、お子さんの目線では不安になることもあると思います。

初経の平均年齢は12歳前後と言われていますが、実際早い子では10歳を迎える頃には初経を迎える事があります。自分の体のことについてまだ知らない状態で、いきなり生理が訪れると戸惑いが大きいと思うので、体の変化については早めに伝えておくことが大切だと思いますね。 いつ伝えるか悩むという親御さんも多いと思うので、「10歳の誕生日を迎えたら生理について話す」ということを決めておくのがおすすめですね。

きうち それはいいですね!「学校の授業で習ってから?それとも習った後に?」とタイミングを測るのも難しいと思うので、「10歳の誕生日」と決めておくと、年を重ねたからと言った理由でスムーズに話せそうです。

いろどり先生 なんとなく今の親御さんの世代だと「生理は恥ずかしいもの」「隠すもの」というイメージがあったと思います。しかし、「生理が来る」という事はいわば成長の証ですし、今の時代ではお子さん自身がしっかりとした知識を持つことも重要です。 これから大人になるというポジティブなイメージで伝えて、お子さんに対してなんでも相談できる雰囲気で居て頂ければと思います。

きうち 具体的に初潮を迎えたタイミングで、「こういったことを伝えてあげると良い」ということはありますか?

いろどり先生 生理の様子から分かることは色々あるので、まずは「生理を正しく理解すること」と「管理できるようになる」ことですね。生理は、ただ出血があるだけではなくてホルモンバランスの変化によって子宮や卵巣が周期的に変化する過程で出血をすること、それ以外にも気持ちの変化があったりするという事を親御さんも理解した上でお子さんに伝えて欲しいです。

生理の管理については、具体的には「生理日を記録する」「痛みや気持ちの変化などの症状記録を付ける」ということもオススメします。それによって生理の症状の傾向が分かれば、生理が怖いものだという気持ち少なくなるのではないでしょうか。

また、生理用品にも色々なものがあるので、使い方を教えてあげたり、色々試してみるのもいいですね。生理用品によって蒸れたりかぶれたりする事があるので、正しいデリケートゾーンの洗い方を教えてあげることも必要だと思います。

きうち なるほど!確かに「生理」ってなんで起こるのかあまり理解してなくて大人になった気がするので、体に起こっている理由から知ると向き合い方も変わりそうです。

私、1つ親御さんに提案したいと思っていることがあって。色々な生理用品を一緒に買ったりして「好きなものを選ばせる」という体験はいいんじゃないかなって思っています。生理用品って、結構親が買ってるものをそのまま子どもも使うことが多いじゃないですか。生理用品を準備してくれること自体はとてもありがたいけど、今思うと母親任せで自分の生理のことってほとんど考えなかったなと思って。

自分にあった生理用品を見つけることでデリケートゾーンのトラブル対策にもなると思うし、自分で生理を管理している、自分の体のことを自分で選ぶという体験があれば、成長していく過程で自分の体との付き合い方も自分で決めていけるようになるのではないでしょうか。生理用品選びが、意外と「自分で自分の体のことを決める」という考え方を持つ1歩になるのではと思うんです。

いろどり先生 なるほど、良いですね。マインドを育てるだけじゃなくて、親子で一緒に新しい生理用品を試すことで、生理用品を通じて生理について話すきっかけを作ることもできそうです。

学校では教わらない デリケートゾーンの洗い方

きうち 先ほど、いろどり先生が伝えてほしいことの1つに「正しいデリケートゾーンの洗い方」を挙げて頂きましたが、これって確かに学校でも教わらないですよね。

いろどり先生 そうなんです。ナプキンなどが肌にあたってかぶれたりということは、意外とよくあるトラブルです。痒みが出たりすると、ついつい綺麗にしようと洗いすぎてしまうかもしれませんが、ボディソープ等のアルカリ性の石鹸で洗いすぎるのは実は良くないんです。水で流すか、デリケートゾーン用の石鹸を使う事で、トラブルも防げるんです。体の変化が起こる初潮のタイミングでこうした正しい洗い方を伝えるのはとてもいいと思います。

きうち デリケートゾーンってやはり「デリケート」というだけあって繊細な部分ですよね?

いろどり先生 そうですね。しっかり洗えていないと、痒みにもつながったり、他にもデリケートゾーン環境が崩れて「カンジダ」などの病気が起こることもあります。なかなかデリケートゾーンって汚い場所みたいなイメージもあって、話題に出しにくいかもしれませんが、大切な場所として丁寧に扱うことを教えてあげるのは良いですね。

きうち  私自身、学生の頃にナプキンのかぶれでデリケートゾーンのトラブルを抱えたことがありました。当時は人に相談するのが恥ずかしくて、こっそり薬を買ったりした気がします…。知ってたらもっと周りに相談したり情報収集できたなと思いますね。

ちなみに洗い方はどうしたら良いですか?

いろどり先生  洗うときはゴシゴシ洗いではなく、しっかりとふわふわの泡を立てて、優しく手で洗いましょう。デリケートゾーンは結構複雑な構造なので、指の腹を使って細部まで撫でるように洗うことを意識してほしいです。洗う時の石鹸選び刺激の優しいソープ 今だとデリケートゾーンソープが出ているのでそれを使ってもらうのも良いと思います。

避妊を知ることは自分の体を守ること

きうち 他に初潮の時に話しておくと良いことはありますか?

いろどり先生 初潮を迎えるということは、妊娠ができる体になるということです。そういった体の変化も考慮して、避妊についてもこの機会に伝えてもらえたら良いなと思います。

きうち そうですよね。このあたりの実はとても大切なことって、本当にあまり教えられずに大人になってしまうなと感じます。今はインターネットなどで簡単に情報にアクセスできますが、その分誤った情報をキャッチしてしまうケースもあるので、親御さんから伝えてもらうとお子さん自身が自分の体を守ることにもなりますよね。

話しにくいトピックかなと感じたりしますが、意外とそう感じているのは大人側で、子どもの方がすんなりと話を受け取るというのを聞いたこともあります。今はそういったことを伝えるための本などもたくさん出ているので、そういったものを使って伝えていくのも良さそうですね。

▲本などを活用して話すのもおすすめ。

生理痛 親と子供は一緒じゃない

きうち トラブルというところで生理のお悩みで大きいのが、生理痛だと思います。私たちの視聴者さんでも「生理痛が辛いけどお母さんに婦人科に連れて行ってもらえない。」という声が届くこともあり、病院へ行くことの認識が親御さんとお子さんの間でギャップがあるのかなと感じました。

いろどり先生 親子で相談にいらっしゃる方の中にも『私はそんなに生理痛がなかったからこの子はそこまでじゃないと思うんです』というようなお母さんもいらっしゃいます。ですが、親と子供でも生理痛の程度の差はもちろんあります。それぞれ痛みは違うので、自分と比較するのではなく、お子さん自身の体の状態に耳を傾けてあげてほしいですね。

きうち こういった生理痛の悩みなどで子供の頃から受診をされる方もいますか?

いろどり先生 そうですね。今は我慢するよりも、適切に薬を使って対処するという認識が広まりつつあるので「親/学校の先生に言われて来ました」という患者さんもたくさんいらっしゃいます。分からないことや不安は迷わず婦人科に来てほしいですね。婦人科診察へのハードルを下げることは、長い目で見ると病気予防にもなるので大切です。婦人科は、何かあったら気軽に相談できる身近な存在にして欲しいです。

きうち 婦人科って妊娠したら行くっていうイメージの方もいらっしゃるかと思うけど、相談していいんだってことを知ってもらいたいですね。

色々とお話しをありがとうございました!

まとめ

最初の生理との向き合い方は、その後の生理や体の管理にも大きく関わることだと思います。だからこそ、親御さんからお子さんへの生理の伝え方も大きなポイントになると思います。今回、いろどり先生からお伺いしたことは下記のようなことでした!

●お子さん自身が生理を管理できる知識と習慣を。
●デリケートゾーンを正しくケアしてトラブル予防。
●避妊についても早めに知識を。
●何か気になることがあったら気軽に婦人科に相談しよう。

ぜひこの記事を参考にお子さんと生理について、自分の体のことについて話す機会を設けてもらえたらと思います。

今回インタビューに答えてくれた産婦人科医のいろどり先生は、「女性ホルモン大学 保健室」コーナーでみなさんからのお悩み相談に答えてくれています。聞いてみたいことや抱えているお悩みを相談したいという方はぜひ、応募ページからお悩みを送って頂けたらと思います!

お悩み相談ページはこちら https://womanbalance.jp/hokenshitsu/


それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

ゆきこ

ライターのゆきこです!女性に伝えたい美容/フェムテック/生理/避妊について発信しています!

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