【ニュース解説】卵子凍結補助ってなに?制度の仕組みや使い方を解説
2023年9月15日、東京都が卵子凍結にかかる費用の助成を開始するという発表がありました。そもそも卵子凍結ってなに?助成の対象は?どうやって受けられるの?こういった疑問にお答えします!
そもそも卵子凍結って何?
卵子凍結とは、卵子を体の中から採取して、凍結させて保存しておくという技術です。元々がんなどの放射線治療で生殖機能へのリスクがある方に対して、将来の妊娠の可能性を残すために行われていたものでした。
それがここ数年、女性の社会進出で出産の高齢化が進んだことにより、卵子を先に取って保存しておき、妊娠希望のタイミングで凍結卵子を解凍するという形で利用され始めています。
ただこの卵子凍結、保険適用外で高額な処置になります。個人差はありますが、50万円以上かかることもあるようです。こういった状況を憂慮して、今回東京都は卵子凍結補助を行うことに決めました。
東京都の卵子凍結補助の仕組み
今回東京都が実施する卵子凍結補助の内容は以下の通りです。
対象者:東京都に住む18歳から39歳までの女性(採卵を実施した日における年齢)(条件あり)
対象要件:次のすべてに該当する方が対象です。(その他条件あり)
- 都が開催する、卵子凍結の正しい知識を持っていただくための説明会へ参加すること。
- 説明会への参加を申し込んだ日から都に助成金を申請する日までの間、継続して都内に住民登録をしていること。
- 説明会に参加した後、都が指定する登録医療機関において採卵準備のための投薬を開始すること。
- 未受精卵子の採卵又は凍結後に都が実施する調査に協力すること。
- 凍結卵子の売買、譲渡その他第三者への提供はいかなる場合も行わないこと、また、海外への移送は行わないこと。
- 卵子凍結後も都の実施する調査に対し、継続的に(最大5年間)回答すること。
- 調査協力助成を受けようとする医療行為について、他の法令等の規定により、国又は地方公共団体の負担による医療に関する給付の対象とならないこと。
助成額:
- 卵子凍結を実施した年度 上限20万円
- 次年度以降、保管更新時の調査に回答した際に、1年ごと一律2万円(最大5年間)を予定
→合計30万円(最大)
助成を希望される方は、まずは対象者向けの説明会に参加する必要があるようです。詳細は東京都が発表している以下のサイトからご確認ください!
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/ranshitouketsu/touketsu/gaiyou.html
この制度、どう思う?
東京都が発表したこの制度、卵子凍結を検討している方にとって良い制度だと思います。
ただ、補助があったとしても費用の負担は決して安いものではありません。また、凍結した卵子の維持費用も必要になること、またその卵子が将来妊娠に結びつくか確実なものではないことなど、卵子凍結の選択はまだ慎重な意見もあります。
その辺りを考えて選ぶ必要はありますが、妊活の選択肢が増えていくという意味では良い流れだと思います。現状東京都だけの制度なので、今後他の自治体でも行われるのか、国が何か実施していくのか、私たちも注目して見ていこうと思います。
参考サイト
事業の概要(東京都福祉局):https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/ranshitouketsu/touketsu/gaiyou.html
卵子凍結 メリットとデメリット(NHK):https://nhk.or.jp/minplus/0029/topic127.html
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