ピルは飲み続けても大丈夫なの?【女性ホルモン大学保健室 No.4】
実は悩んでいるけれど、なかなか家族や友人には相談しにくかったり、どこに相談したらいいかわからないという体や心、日常の悩みについて、みなさんからたくさん質問を頂きます。
この「女性ホルモン大学 保健室」は、そんなお悩みに対して女性ホルモン大学編集部メンバーと産婦人科医のいろどり先生がご相談にのるコーナーです!
生理が重い方で、20歳になる頃にピルを飲み始めました。4年ほど飲み続けているのですが、ピルはずっと飲んでいても問題ないのでしょうか?何か気をつけた方がいいことはありますか? (24歳女性)
ご質問頂きありがとうございます(^^)
最近は、生理痛を我慢しないことと、薬で良くなるものだという認識が広まりつつあり、こういうお悩みが増えているように感じます。
結論から言うと、長く飲んでいても大丈夫です。
ただ、気をつけることがいくつかあるので紹介しますね。
まず、ピルはホルモン剤である事は知っていると思いますが、長期間投与を続けることで乳がんや子宮頸がんの発生が若干増加することが知られています。
ですが、ピルを飲むことで必ずしも上記の病気になる訳ではありませんし、ホルモン含有量が少ない薬剤が販売されたりしているので、今は服用による有意差はほとんど無いと言われています。
しかし、少なからずそういったリスクがあるお薬を飲んでいるという認識を忘れずに、乳がん検診、子宮頸がん検診にはこまめに行って頂きたいと思います。
また、逆にピルを飲んでいることでリスクが減るものもあります。
子宮体がん、卵巣がん、大腸がんは、ピルを内服している事でリスクが減少すると言われており、なかでも子宮体がん、卵巣がんではピルを中止後もリスクが低くなることがわかっています。
子宮内膜症がある方は、病変を小さくする効果があるのと、内膜症の手術を行った場合、手術後の再発率を減らすと言われており、それにより生理痛の改善を期待できます。
ちなみに、将来子供が欲しいと思った時にはピルを辞めてから3ヶ月以内には通常の生理が戻ると言われていますので、「低用量ピルを服用すると不妊になるのでは?」と誤った認識をされている方がいますが、そういった事実はありませんので安心してください。
いざ、妊活する時にはかかりつけ医に相談して、辞めてしばらく様子を見てみてくださいね。
リスク・ベネフィットをしっかり理解した上で、正しく使っていただけたら嬉しいです(^^)
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